
ウェイン・マーシャルのピアノ弾き振りによる広島交響楽団「オーケストラ福山定期」Vol.6をリーデンローズ大ホールで聴いた。2つのラプソディを含むオール・ガーシュウィンのプログラム。広響がビッグバンドに変身したとしか思えないグルーヴ感爆発の展開ながら、英国人音楽家らしい知性の煌めきと抑制もあり、ジャズでもクラシックでもないガーシュウィン独自の世界を堪能させた。コンサートマスターはカルテット・アマービレの北田千尋。全編にわたり首席クラリネット奏者の三界達義のソロが冴え、マーシャルが何度も起立を促す。第1ヴァイオリン最後列の男性奏者はかなりのジャズマニアと思われ、冒頭の「ストライク・アップ・ザ・バンド」序曲からノリノリのオーバーアクションで異彩を放った。最後は楽員全員が満面の笑みと心からの拍手で、鬼才音楽家と出会えた喜びを伝えた。終演後は楽屋を訪ね、約30年ぶりの再会。最初はキョトンとしていたが「ディナーに連れて行ったイタリアンであなたが『キュウリ1本』と注文、シェフが極めて美しい純白の皿に緑鮮やかなキュウリを載せて出したら、日本人のサービス精神に感動していたよね?」とたたみかけるとメモリー復活、ツーショット撮影となった。10日は同一プログラムを地域の中学2年生を無料招待して演奏。マーシャルのガーシュウィン弾き振りは14&15日の名古屋フィルハーモニー交響楽団定期演奏会でも聴ける。
※SNSより転載
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